PV->HVM変換ツール pv2hvm.rbを試してみた
はじめに
こんばんは、たけかわです。 最近話題のt2.microインスタンスですが、仮想化方式がHVM(Xen Full virtualization)のものしか使えないため、既存のPV(Xen Para-virtulaization)のイメージがつかえません。そこで変換をしたいという要望をお客様より幾つか受けたので調べてみました。
PVとHVMについて
PVとHVMはもともと歴史のあるXenから来ている話ですので多くのよい説明があります。というわけでリンクを示して少し話を端折らせてもらいます。
メモ: AMIの仮想化方式 hvm、paravirtualについて
AWS Virtualization : HVM vs Paravirtualization
自分の理解では、当初は性能的な利点のあるPVがよい選択肢ではあったが、ホストする側のマシンの性能があがることで、仮想化方式自体の性能の利点はそれほど問題ではなくなり、個々のVMが独立しているHVMがセキュリティ、安定性という点で有利になってきていると理解しております。
今後はHVMが主流になるわけですね
変換方法について
PVをHVM化するにはブートに必要な情報を全てroot volumeに乗せる必要があります。 どう説明しようかとおもったところ素晴しいリンクを見つけたので紹介します。
EC2のt1.microをt2.microへ移行する
こちらはCentOSをHVM化する手順となります。 おおまかな手順としては以下となります。
- 既存のPVのインスタンスにgrubをインストールする
- そのディスクのスナップショットを取得する
- スナップショットをボリューム化して、変換用のEC2にマウント
- マウントしたボリュームをコピーし、HVM化のための各種設定をほどこす
- このボリュームからAMIを作成する
ちなみにAmazon Linuxでもほぼ同様の手順となります。手作業で行なうのは大変なので、もっと簡単な方法を紹介します。
pv2hvm.rb
最新(2014.03.2)のAmazon Linuxの変換が可能です。以下の前提条件があります。
- 変換用マシンにはEC2上で動作させること
- 変換用マシンにAWS SDK for Rubyをインストールすること
- Admin 権限(PowerUser?)を持つEC2プロファイルであること
- ソースAMIは自身のもの、もしくは、create volume、root volumeのスナップショットが取れること
- ソースAMIはgrubをインストールしていること
ですが、手作業でやるよりはるかに簡単にpv2hvmできますので実際に試してみます。
PVのインスタンスにgrubをインストールする
まずはソースとなるPVのインスタンスを探します。PVかどうかはAMIによって決まります。 コンソール画面でこんな感じで確認できます。
で、変換対象のサーバーにログインします。 変換できたイメージであることを確認するためにプロンプト表示をかえておきます。
echo 'export PS1=TESTHOST$' >> ~/.bash_profile ; source ~/.bash_profile TESTHOST$
grubをインストールします。
sudo yum install -y grub ...出力はがっつり省略.... インストール: grub.x86_64 1:0.97-83.23.amzn1 依存性関連をインストールしました: generic-logos.noarch 0:17.0.0-2.5.amzn1 完了しました! TESTHOST$
変換元AMIをつくる
ここは通常の手順ですね。コンソールでEC2を停止後、イメージを作成します。 ここでamiのイメージIDをかならずメモしておいてください。ここではami-XXXXXXX
とします。
変換処理実行用のEC2を準備する
別のEC2を起動します。Amazon Linuxであればどのインスタンスタイプでもよいです。 「Power User」のIAM roleをつけ忘れないようにしましょう。
起動後、ログインしてAWS SDK for Ruby をインストールします。
こんな感じのコマンドでインストールできました。
sudo yum install -y gcc make libxml2 libxml2-devel libxslt libxslt-devel rubygems ruby-devel patch sudo gem install nokogiri -- --with-xml2-lib=/usr/local/lib --with-xml2-include=/usr/local/include/libxml2 --with-xslt-lib=/usr/local/lib --with-xslt-include=/usr/local/include ## 2016/12/07 aws-sdkの2系が入ってしまってうまく動作しないためバージョン固定の必要アリ # sudo gem install aws-sdk --no-ri --no-rdoc sudo gem install aws-sdk --no-ri --no-rdoc -v '~>1'
最後にpv2hvm.rbをダウンロードしておきましょう。
wget https://raw.githubusercontent.com/j3tm0t0/pv2hvm/master/pv2hvm.rb chmod 0755 pv2hvm.rb
変換してみる
それでは変換してみましょう。sudo
を忘れないでくださいね。実行するのは最初の一行だけです。折角なので出力は端折らずのせております。
sudo ruby pv2hvm.rb ami-XXXXXXX source ami=ami-XXXXXXX -- prepare volume creating target volume with size : 9 vol-9b46fb91 created and attached to /dev/sdo creating source volume from snapshot : snap-97aeea77 vol-5446fb5e created and attached to /dev/sdm -- copy disk # parted /dev/xvdo --script 'mklabel msdos mkpart primary 1M -1s print quit' モデル: Xen Virtual Block Device (xvd) ディスク /dev/xvdo: 9664MB セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B パーティションテーブル: msdos 番号 開始 終了 サイズ タイプ ファイルシステム フラグ 1 1049kB 9664MB 9663MB primary # partprobe /dev/xvdo # udevadm settle # dd if=/dev/xvdm of=/dev/xvdo1 date; 16777216+0 レコード入力 16777216+0 レコード出力 8589934592 バイト (8.6 GB) コピーされました、 867.338 秒、 9.9 MB/秒 -- install grub # mount /dev/xvdo1 /mnt # cp -a /dev/xvdo /dev/xvdo1 /mnt/dev/ # rm -f /mnt/boot/grub/*stage* # cp /mnt/usr/*/grub/*/*stage* /mnt/boot/grub/ # rm -f /mnt/boot/grub/device.map # printf "device (hd0) /dev/xvdo\nroot (hd0,0)\nsetup (hd0)\n" | chroot /mnt grub --batch Probing devices to guess BIOS drives. This may take a long time. GNU GRUB version 0.97 (640K lower / 3072K upper memory) [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible completions of a device/filename.] grub> device (hd0) /dev/xvdo grub> root (hd0,0) Filesystem type is ext2fs, partition type 0x83 grub> setup (hd0) Checking if "/boot/grub/stage1" exists... yes Checking if "/boot/grub/stage2" exists... yes Checking if "/boot/grub/e2fs_stage1_5" exists... yes Running "embed /boot/grub/e2fs_stage1_5 (hd0)"... 31 sectors are embedded. succeeded Running "install /boot/grub/stage1 (hd0) (hd0)1+31 p (hd0,0)/boot/grub/stage2 /boot/grub/grub.conf"... succeeded Done. grub> # cat /mnt/boot/grub/menu.lst | tee /dev/stderr > /mnt/boot/grub/menu.lst.bak # created by imagebuilder default=0 fallback=1 timeout=1 hiddenmenu title Amazon Linux 2014.03 (3.10.35-43.137.amzn1.x86_64) root (hd0) kernel /boot/vmlinuz-3.10.35-43.137.amzn1.x86_64 root=LABEL=/ console=hvc0 initrd /boot/initramfs-3.10.35-43.137.amzn1.x86_64.img # cat /mnt/boot/grub/menu.lst.bak | perl -pe "s/\(hd0\)/\(hd0,0\)/;s/console=\S+/console=ttyS0/" | tee /dev/stderr > /mnt/boot/grub/menu.lst # created by imagebuilder default=0 fallback=1 timeout=1 hiddenmenu title Amazon Linux 2014.03 (3.10.35-43.137.amzn1.x86_64) root (hd0,0) kernel /boot/vmlinuz-3.10.35-43.137.amzn1.x86_64 root=LABEL=/ console=ttyS0 initrd /boot/initramfs-3.10.35-43.137.amzn1.x86_64.img # rm -f /mnt/dev/xvdo /mnt/dev/xvdo1 # umount /mnt -- create snapshot of target volume snapshot ID = snap-30c480d0 image Id = ami-YYYYYYYY -- cleanup deleting volumes vol-5446fb5e deleted vol-9b46fb91 deleted
ami-YYYYYYYというのが変換されたイメージとなります。
8GBのイメージの変換に20分ほどかかりました。rootボリュームが大きい場合、時間がかかります。
また、sudoをつけずに実行するとEBSがマウントした後にディスク操作で失敗します。この場合root以外のVolumeを一度デタッチしてからsudoをつけてpv2hvm.rbを再度実行してください。
変換したイメージで起動してみる
AMIのタブをみるとHVMのイメージが増えています。
このAMIのIDを覚えてEC2を起動します。
t2.microで起動後ログインして
TESTHOST$
が見えれば変換成功です。
まとめ
PVとHVMの違い、変換方法、pv2hvm.rbの使い方を説明しました。一つ注意点としては このような変換を行なったOSはコミュニティAMIと同等の扱いとなるということで、 問題が発生した場合、変換元のAMIで同じ問題が発生しないとサポートが受けられない 可能性があるとのことでした。実際に障害あったわけではないので駄目と言われたわけではないのですが、注意する必要があります。
ではでは